Fly Me to the Moon:キー・音域・歌いやすさ
Frank SinatraがCount Basie and His Orchestraと録音した「Fly Me to the Moon」は、旋律の流れが明快で、落ち着いて歌えるジャズ・スタンダードです。このページでは、この録音でよく挙げられるキー、曲から測定した音域、歌いやすい声種、フレーズの練習方法を紹介します。測定された音域はB2からG#4で、ボーカルラインの大半はF3からB3に収まります。フレーズのテンポは約107 BPMで、難易度は中程度です。
歌いやすさを左右するポイント
B2からG#4までの21半音の音域を歌うには、低音を保ちながら高音域まで上がる力が必要です。一方、音の大半が集まるテッシトゥーラはF3からB3と、より狭い範囲です。この違いは重要です。曲の多くは無理のない低めの音域でも、全体の最高音に近づく部分には準備が要ります。また、低音が自分の自然な話し声より下にあると歌いづらいこともあります。喉に力を入れたり、あごを引き下げたりして無理に出さないようにしましょう。
測定されたフレーズのテンポは約107 BPM。安定した拍があり、速い音符を追いかけるタイプの曲ではありません。ボーカルラインの平均は毎秒0.6音なので、音程や子音の明瞭さ、息継ぎのタイミングに意識を向けられます。最も長い音はC4で、長さは2.6秒です。息を安定させる必要はありますが、極端に長く伸ばす音ではないため、息を温存しようとするより、音色を一定に保つ練習ができます。難易度が中程度なのは、個々のフレーズが特に細かくなくても、広い音域での音程コントロールと、力みのない安定した歌唱には練習が必要だからです。
向いている声種
音の多くがF3からB3に集まるため、多くのバリトンや低めのテノールには取り組みやすい曲です。ただし、テッシトゥーラだけで判断せず、低音のB2と高音のG#4が自分の無理なく歌える範囲にあるか確認しましょう。B2が低すぎると感じたら、声量を上げず、軽い声で試してください。G#4がきつい場合は、フレーズ全体を歌う前に、中くらいの声量でその音へ上がる練習をしましょう。
高めの声の人も、低音が明瞭で響くなら練習できます。無理なく歌える音域が測定されたテッシトゥーラより高い場合は、キーを変えたバージョンが合うこともあります。目標はSinatraの声色をまねることではありません。音程を正確に取り、フレーズの終わりをきれいに収め、自分の声に合った安定した響きを目指しましょう。
練習方法
まず、低音域をやさしく歌うところから始めます。B2からF3あたりの音を使った短いウォームアップを行い、最低音付近を息混じりのささやき声や、力んだうなり声にせず出せるか確かめましょう。あごの力を抜き、無理のない声を保ちます。喉が締まったらいったん止めながら、少しずつ音を上げて曲の高音に近づけていきます。
次に、曲を短いフレーズに分けます。まずは音程を正確に取れる速さで歌い、その後、測定された約107 BPMの拍に戻しましょう。音の平均は毎秒0.6音です。次の音へ急がず、一音ずつ中心を捉えてから進みます。息継ぎの場所に印をつけ、フレーズの終わりで慌てて吸うのではなく、息が切れる前に静かに吸いましょう。
C4の伸ばす音は、単独で練習します。無理のない量の息を吸い、測定された2.6秒の間、音量を一定に保ち、音程を下げずに声を離します。その後、前後のフレーズにつなげて自然に聞こえるか確認してください。録音して、低音が不明瞭になっていないか、高音に力みが出ていないか、フレーズの終わりが早く消えていないかを聴きます。気になる箇所だけを繰り返し、慣れたら次のフレーズにつなげましょう。曲を無理のない区切りで練習するには、PitchHighwayにアップロードして、フレーズごとに覚えていきましょう。